オンライン史料の利用
カナダ史に関する史料の入手は、10年ほど前までは現地での調査以外の方法が無かったが、近年は議会史料やカナダの首都オタワにあるカナダ国立文書館・図書館(Library and Archives Canada:LAC)が所蔵するマイクロフィルムの一部が電子化されてオンラインにて公開されている。
1.刊行史料
(1)Canadiana

カナダの刊行史料に関しては、Canadianaにて検索、閲覧が可能である。
Canadianaでは、2000年までのカナダの新聞や雑誌、政府刊行物などが閲覧可能である。ただ、その内容は19世紀から20世紀初頭の刊行物が中心である。政府刊行物の中でも、特に連合カナダ植民地時代から1920年代までのセッショナル・ペーパー(下院に提出された各省の年次報告書や統計をはじめとする各種報告書)などは、同サイトにて読むことが出来る。
2.議会史料
(1)Canadian Parliamentary Historical Resources

連邦結成から1996年までのカナダの上院、下院の速記録(Debates)に関しては、Canadian Parliamentary Historical Resourcesにて検索、閲覧が可能である。
Canadian Parliamentary Historical Resourcesは、語句や日にちでの検索が可能なので、該当箇所を検索して読むことが出来る。
ただ冊子体をスキャンしたものをベースにしているため、画面上では若干読みづらいのと、次ページに進む際に読み込みの時間がかかるという問題点はある。

1994年以降のカナダの上院、下院の速記録、各種委員会報告等に関しては、カナダ議会のウェブサイトにて閲覧可能である。

また1994年以降のカナダの上院、下院の速記録、各種委員会報告等に関しては、Openparliament.caでも検索、閲覧が可能である。
(4)Lipad

1901年から2019年までのカナダの上院、下院の速記録に関しては、Lipadでも検索、閲覧が可能である。
Lipadは、Canadian Parliamentary Historical Resourcesと同様に、20世紀前半以降の速記録が閲覧できるのだが、発言者の顔写真や選挙区といった情報も表示されるため読みやすいのと、冊子をスキャンしたものではなく、OCR化されたテキストで表示されるので画面上で読みやすいだけでなく、引用箇所をコピーしたりしやすいという利点がある。
ただたまにOCRのミスがあるので、その点については注意が必要である。

2.カナダ国立文書館・図書館のマイクロフィルム史料
(1)Héritage

カナダ国立文書館・図書館(Library and Archives Canada:LAC)は、この20年近く所蔵史料のデジタル化を推進しており、所蔵するマイクロフィルム史料の一部がデジタル化され、Héritageにてオンラインにて閲覧可能となっている。
Héritageにて公開される史料は、LACの史料が大半のため、利用に際しては以下のような手順にて史料にアクセスすることになる。
(1)LACのサイトのカタログにて史料の検索を行う。
(例1:Toronto Board of TradeのCouncil Minutesの検索)
➀LACのサイトのカタログにて、「Toronto Board of Trade」、「Council Minutes」と検索語を入力し、「Search in」で「Archives」を、「Collection」で「Collections and Fonds」を選択する。

②検索して出てきた「Council Minutes」を選択すると、その「Finding aid」の箇所にHéritageへのリンクがあり、進んでいくとHéritageのCouncil Minutesのマイクロフィルム史料をデジタル化した部分に進むことが出来る。

③検索して出てきた「Council Minutes」を選択すると、その「Finding aid」の箇所にHéritageへのリンクがあり、進んでいくとHéritageのCouncil Minutesのマイクロフィルム史料をデジタル化した部分に進むことが出来る。

(例2:Wilfrid Laurier fondsの検索)
➀Héritageにて公開される史料の中で、個人文書の中の特定の語句が含まれた文書を見る際には、まずLACのサイトのカタログにて検索を行う。例として、Wilfrid Laurier fondsの中で「imperial preference」という語が含まれる文書にアクセスする方法として、LACのサイトのカタログにて「Wilfrid Laurier」、「imperial preference」と検索語を入力し、「Search in」で「Archives」を、「Collection」で「Collections and Fonds」を選択する。

②検索結果が出てくるので、例えば1番上「[Correspondence] [textual record] Laurier, Wilfrid Correspondence 1904」の文書を見るとするならば、リンクを進み、進んだ先の「Ordering and viewing options」の箇所のMicrofilm reelに書かれているマイクロフィルム番号とページ番号を確認する。
この文書の場合は、マイクロフィルム番号が「C-807」、ページ番号が「80515」になる。

③Héritageのサイトに移動して、そちらの検索窓にマイクロフィルム番号の「C-807」を入力して検索すると検索結果にWilfrid Laurier fondsのC-807が出てくるのでリンク先に進み、表示されるスキャンされたマイクロフィルムの中から「80515」の文書を探す。

➃目的の史料「80515」

